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村長のあしあと

村長からのメッセージ

2025(令和6年度)村政執行方針

 

Ⅰ はじめに

 

Ⅱ 村政運営に臨む基本姿勢
1 村内経済の好循環を見据えた村づくり
2 安心して暮らせる生活環境の確保
3 公共インフラなど公共施設の計画的整備

 

Ⅲ 重点施策の展開
1 村内経済の好循環を見据えた地域活力の醸成
2 村民と協働する行政の展開
3 公共インフラなど公共施設の計画的整備
4 財政安定化への取り組み

 

Ⅳ むすび

 

Ⅰ はじめに

 令和6年第1回定例会の開会に当たり、令和6年度の村政執行方針を述べさせていただきます。 
 
 昨年4月の村長選挙において二期目の村政を担う機会をいただき、この1年は「安心して暮らせる村づくり」を進めるために掲げた5つの目標を具現化させ、課題解決に向けた取り組みを一歩でも前に進めるべく、村議会議員の皆様と村民の皆様のご理解とご協力をいただきながら、丁寧な村政運営を心掛けてきました。

 ただ、世界に目を向ければ21世紀は平和と協調の時代と言われていましたが、現実は長引く戦争や紛争をはじめ地球温暖化による自然環境への影響が食料やエネルギー不足を招き、人々の生活の安全を脅かす結果となっています。
 また、国内に目を向ければ物価高騰や人手不足が社会基盤の不安定化を招き、加えて国政に対する国民の信頼は未だかつて無いほどに低下し、政治不信は日本の将来を担う若者たちの社会参加意欲にも暗い影を落とす方向へと進みつつあり、大変憂慮すべきことであると考えています。

 しかし、そういった時代背景のなかにあっても、村民が安心して暮らせる村づくりを進めるのが、村政運営に携わる者の責務であることから、令和6年度の村政運営につきましても「第四期赤井川村総合計画後期基本計画」と「第2期赤井川村創生総合戦略」を基本に据え、財政と村民生活の安定化を第一に取り組んでいく所存であります。
 加えて、公共を支えるのは役場や村民のみならず、民間企業や村に所縁のある村外の方々との協働も重要であるとの考え方は変えずに、引き続き、人と自然の調和を保ちながら持続可能な開発計画などに取り組む企業や活力を持った人材との連携を大事にしつつ、村内経済の好転を目指し、更なる関係人口の増加対策に取り組みたいと考えています。
 
 なお、令和6年度は 令和8年度にスタートする第五期赤井川村総合計画と第3期赤井川村創生総合戦略策定の準備を始める年度となることから、現計画の評価や村民の意見反映を適切に取り組む所存であります。


Ⅱ 村政運営に臨む基本姿勢
 
 令和6年度の村政を運営する基本姿勢としては、国費・道費事業として計画的に進めている各種事業は、その事業効果が適切に反映されるように取り組みます。
加えて、独自課題の解決や新たな試みとして議員の皆様と協議・検討を進めてきた事業などについても、その事業効果が広く村民の福祉向上や村内経済に活力を生むよう次の三つの視点を持って優先順位を見極めながら着実に取り進めたいと考えています。


1 村内経済の好循環を見据えた村づくり

 

 一つ目は、「村内経済の好循環を見据えた村づくり」です。
 
 働く世代の減少は、村の元気と活力を低下させる大きな要因の一つであり、基幹産業である農業と観光・リゾート産業に元気がなければ、働く世代の定着は見込めず、村全体に活力が感じられなくなってしまいます。
このため、農業分野においては「農業振興計画」を基本にしつつ、優良農地の効果的活用を視野に持続可能な農業振興に取り組みます。
観光分野においては、観光地域づくり法人を中心とした活動やキロロ、道の駅などの活動を側面的に支援し、食を通じた観光やふるさと納税などで築いた関係人口(交流人口)との継続的な関係構築、北後志エリア等と連携した広域観光等の取り組みを引き続き推進します。
また、地熱(地中熱、地熱等)利用を柱とした「赤井川村エネルギービジョン」や「ゼロカーボンビレッジakaigawa推進戦略」に基づく、再生可能エネルギーを活用する各事業を計画的に進めるとともに、国の地方創生推進事業等を活用し、新たな経済活動を試みる人材の活用や育成に取り組み、村内経済の好循環を見据えた村づくりを継続して推進します。

 

2 安心して暮らせる生活環境の確保

 

 二つ目は、「安心して暮らせる生活環境の確保」です。

 

 村民一人ひとりが生涯にわたって心身ともにいきいきと暮らせるようにするには、保健・福祉・医療・介護サービスの向上や域内交通の確保、さらには子育て支援などを充実させることが、生きがいとなる日常を手にするためにも必要なことだと考えています。
 しかし、本村の限られた財源と人的資源では、全てを充実させ継続することはとても困難なことです。 
 加えて、余市、小樽を生活圏とする多くの村民にとって、幹線交通や域内交通の確保と安全運行は、安心して暮らすために重要な条件の一つでもあります。
このため、保健・福祉・医療・介護に関する課題については、村と社会福祉協議会や地域包括支援センター等の関係機関が引き続き連携を密にし、分野別に課題と役割分担を明確にしながら、地域の方々にもご協力をいただき、引き続き協働関係を築き、課題解決が円滑に進むよう取り組みます。

 

3 公共インフラなど公共施設の計画的整備

 

 三つ目は「公共インフラなど公共施設の計画的整備」です。

 

 道路・河川・橋梁をはじめ、上下水道や公営住宅などの公共施設は、これまでも住民生活の基盤であることから計画的な整備を心がけ、老朽化した施設も財源を考慮しつつ、各種長寿命化計画などを策定し、維持補修を行ってきました。
 特に多くの経費を要する大規模工事については、国費・道費補助や財政措置率が高い有利な起債を活用するなど、財源確保を模索しながら優先順位を考慮し取り組んでいます。
このため、本年度も継続性、緊急性のあるものや、防災対策など優先度の高い施設の整備や補修を重点的に進めます。
 加えて、令和6年度から水道と下水道事業が正式に公営企業会計制度へ移行することから、住民に混乱が生じないよう取り組みます。

 

Ⅲ 重点施策の展開

 

1 村内経済の好循環を見据えた地域活力の醸成


 
①農業の振興
 基幹産業である農業の振興は、これまでも村の重点施策として様々な取り組みを進めてきました。なかでも土づくり、ビニールハウスを利用した作物栽培の振興、新規就農者対策、優良農地の利活用対策などは重点的に取り組んできたところです。近年は有害鳥獣の対策もその比重が年々大きくなっております。ただ、農業を取り巻く課題は多様化していることから、今後も課題を整理しながら着実に解決に向けた取り組みが必要とされているところです。
このため、「農業振興計画」に沿って、次の事項について重点的に取り組みます。


・道営農業農村整備事業による農地基盤整備事業の推進
・落合ダム及び関連施設の適切運用と農業用水の安定供給
・農業振興事業の重点的支援策の検討
・新規就農希望者の就農支援
・有害鳥獣駆除対策の効果的実施と人材育成

 

②林業の振興
 村有林を主体に、民有林においても多面的機能を持つ森林資源の保全と活用を計画的に進めており、引き続き赤井川村森林整備計画に沿った事業を進めます。
 特に村有林の伐期齢に達した立木の活用については、北海道森林管理局石狩森林管理署との間で締結した「第1期赤井川地域森林整備推進協定」に基づき、国・道の助言や協力を仰ぎながら、森林財産の適正管理とカーボンニュートラルの両輪を視野に計画的に進めます。


・民(村)国連携による森林資源の活用促進・整備
・森林環境譲与税の「活用基本方針」に基づく支援
・冷水峠展望所の計画的整備と協働による景観づくり活動
・村有林造林事業の推進と木材資源の地域内活用の推進

 

③商工業の振興
 村内で事業展開する事業者は、小規模ながら商品開発や新規事業に挑戦し、業績を伸ばしている先例も有り、村の産業の一翼を担っています。
 これらの事業者は、商工会へ結集し経営の安定化を目指していることから、引き続き商工会のリーダーシップに期待し支援を行います。


・商工会運営の安定化を図るための支援
・経営環境改善や商品開発事業取り組みへの支援
・国の地方創生事業を活用した人材活用、育成の推進
 
④観光の振興
 村の観光は、キロロを核としたリゾート観光と道の駅や温泉を核としたドライブ観光に分けられますが、いずれも新鮮で美味しい農畜産物を活用した「食」がキーワードになります。
 このため、観光地域づくり法人赤井川村国際リゾート推進協会(DMO)を核とした地域内が連携する観光振興が促進されるよう、引き続き支援します。
 また、ふるさと納税のPR活動も含め、食と観光が有機的に結びつくよう取り組みを進めます。


・赤井川村国際リゾート推進協会を中心とした観光振興活動の支援
・道の駅「あかいがわ」を柱に地場産品の販売促進支援
・「まるっとカルデラ農村フェス」の定着と自走可能な(自走を目指した)支援
・観光インフラと観光振興を目的とした宿泊税導入に向けた手続きの推進

 

⑤再生可能エネルギー関連事業への展開
 「赤井川村エネルギービジョン」と「ゼロカーボンビレッジakaigawa推進戦略」に基づき、温泉熱の活用や地熱(地中熱、地熱等)・木質系バイオマスなど持続可能な再生可能エネルギーを活用した事業の促進を目指します。特に、エネルギービジョンの具現化として、役場庁舎のエネルギー転換によるゼロカーボン推進の検討を進めます。
 また、民間主体で進められる事業については、国の法令遵守を基本とし、村の「再生可能エネルギー発電施設の設置等に関するガイドライン」に沿った事業者対応を徹底すると共に、景観法に基づく景観計画策定手続きを進め、開発と保全のバランスをより一層心がけながら、その対応に当たります。


・役場庁舎ZEB改修に向けた具体的調査の推進
・民間事業者による地熱発電、水力発電計画への側面的支援
・ゼロカーボンビレッジakaigawa推進戦略実現に関する各種調査事業

 

2 村民と協働する行政の展開

 

全ての村民が心身ともに健康でいきいきと生活できるよう、保健・福祉・医療・介護、子育て支援などの事業を各計画に基づき実施します。
消防・防災については、北後志消防組合赤井川支署との連携を強化しており、消防車両の更新や広域通信業務体制の確立にも取り組み、引き続き緊急時の迅速な対応に努めます。
 また、赤井川村診療所の指定管理化が少しでも早く実現できるよう関係者との調整を進めます。
 なお、次の重点事項については村民の皆様との積極的な協働を必要とする施策もあることから、各事業については引き続き丁寧な説明を第一に進めます。

 

①保健・医療
・各種健診、健康教育、健康相談等の充実
・自主的な健康づくり・体力づくり活動の支援
・各種健康教育活動による健康管理意識の醸成
・地域医療体制の充実に向けた総合的な検討促進
・赤井川診療所の指定管理化の推進

 

②子育て支援
・妊婦・新生児訪問、個別相談等母子保健事業及び伴走型相談支援事業の推進
・新生児聴覚検査支援
・産後ケア事業への取り組み
・出産・子育て応援給付金事業の推進
・へき地保育所の保育内容の充実
・保育所と小学校の連携による継続した支援体制の強化

 

③高齢者支援(生きがい対策・介護)
・介護三事業の円滑な運営及び適正管理
・一般介護予防の充実(高齢者サロン、運動教室)
・総合相談支援の充実
・認知症施策の推進・在宅医療・介護連携の推進
・悠楽学園大学の内容充実
・高齢者除雪支援助成金制度及び補聴器購入助成制度の情報提供の強化
・高齢者の保健事業と介護予防等の一体的な実施の推進



④障がい者支援
・北後志自立支援協議会等を活用した相談支援体制の充実
・障がい者の自立生活への支援
・各種障がい福祉サービスの提供体制の充実

 

⑤地域福祉
・社会福祉協議会活動の支援
・生活支援体制整備事業の強化
・たすけあい隊活動の推進


 
⑥社会保障
・年金、国民健康保険、後期高齢者医療保険事業事務の円滑化

 


⑦消防・救急
・災害時連携対応の強化
・救急救命体制の段階的運用
・消防車両の更新による消防力の強化

 

⑧移住定住対策
・ふるさと納税と連携した施策のPR展開

 

⑨防災対策
・近隣町村と連携した防災対応力の強化
・学校及び地域団体と連携した防災教育の実施


 
⑩地域公共交通対策
・「むらバス」の安全運行と利用環境向上策の検討
・地域内交通の利用促進の展開
・域内交通(枝線・交通空白地有償運送)おでかけアシ ストサービス、通院送迎サービスの充実


 

3 公共インフラなど公共施設の計画的整備

 

①村道整備
 村道整備については、幹線道路及び生活道路を中心に国土強靱化計画に基づく防災的視点も持ちながら整備を進めます。
  また、路面の損傷などが激しい路線については、優先順位を定め、日常の通行に支障が出ないよう補修に努めます。

・富田線道路改良工事
・北丸山線道路改良工事
・村道舗装補修工事

 

②河川整備
 河川整備については、異常気象による防災対応が重要となることから、河道内に堆積した土砂や立木の撤去を計画的に行います。

・緊急自然災害防止対策事業債を活用した護岸改修工事
・緊急浚渫推進事業債を活用した河川整備工事

 

③橋梁整備
 老朽化した橋梁については、「橋梁長寿命化計画」に基づき整備します。

・共栄東橋架替補修工事

 


④簡易水道の整備
 安全な飲料水を供給するため、適正な管理を継続すると共に、老朽化した施設については計画的に更新を行います。また、緊急時の防災対策にも取り組みます。さらに、水道事業の効率化、経営改善を目的に、令和6年4月1日より公営企業会計化に移行します。

・量水器取替工事
・簡易水道事業地方公営企業法運用の支援業務



⑤下水道の整備
 施設整備後20年以上経過していることから、老朽化した機器類について「ストックマネジメント実施方針」を策定し、更新を進めています。また、下水道計画区域外における合併浄化槽の普及啓発も継続して行っており、設置者への支援も引き続き行います。さらに、水道事業同様、事業の効率化、経営改善を目標として、令和6年4月1日より公営企業会計化に移行します。

・あかいがわアクアクリーンセンター水処理整備事業(更新)
・公共下水道第1・4マンホールポンプ所改修工事
・公共下水道事業地方公営企業法運用の支援業務

 

⑥公営住宅などの整備
 老朽化した公営住宅については、「公営住宅長寿命化計画」に基づき建て替えやリフォームを進め、活用が出来なくなった村営・村有住宅は取り壊しを引き続き進めます。


・村営中央団地個別改善改修工事
・村営中央団地外部個別改善改修工事
・村営桜団地個別改善改修工事
・教員住宅解体工事
・村有住宅塗装工事
・村有住宅(落合地区)解体工事

 

⑦その他公共施設の整備
 各施設の管理は、「公共施設等総合管理計画」に基づき延命化を図りながら村民の利用に支障が出ないよう計画的な維持補修に努めます。

 

⑧生活廃棄物及びし尿の処理
 可燃ごみ及び資源ゴミについては、「北しりべし廃棄物処理広域連合」の処理施設、不燃物については、村の一般廃棄物処理場で適正に処理をしておりますが、今後もゴミの減量化と分別の徹底は必要であると考えています。
なお、広域連合においては、ごみ焼却処理施設基幹的設備改良工事(令和5~8年度)を継続しております。
北後志衛生施設組合のし尿処理施設については、老朽化対策として新たな施設が令和7年度内に運用が開始できるよう整備を進めます。


4 財政安定化への取り組み

 

 実質単年度収支で歳入と歳出のバランスが取れていない状況を改善し、財政の安定化を図るためには、村長就任以来申し上げさせていただいているとおり、国費・道費の助成制度の活用はもとより、新たな取り組みや制度見直しによる自主財源の確保をはじめ、民間企業との連携を積極的に展開することが必要であると考えています。
 このため、令和8年度を目標に設定した「財政健全化アクションプラン」の検討・協議・実施を可能な範囲で出来るものから進めたいと考えております。
以上の考え方を基本に置き、令和6年度の各会計の予算を次のとおり提案させて頂きます。

 

■一般会計        2,869,000千円

■後期高齢者医療特別会計    20,182千円

■国民健康保険特別会計     43,291千円

■簡易水道事業会計      108,109千円

■下水道事業会計       190,276千円

◆総 計            3,230,858千円


Ⅳ むすび

 

 令和6年度においても赤井川村に住んでいて良かったと多くの村民の皆様に思って貰えるよう、職員の知恵と力も借りながら村長として2期目2年目の村政運営を進めたいと考えていますので、村議会議員の皆様と住民の皆様、そして関係機関の皆様にはより一層のご理解とご協力を心からお願いを申し上げまして、令和6年度の村政執行方針といたします。

  

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